Classiques japonais avec furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans
無念を、もがくだけだった。
「まてまて、まだ」
良正は、彼をかついで、歩き出す群れをとめて――
「将門。わすれるなよ。きょうのところは、ゆるして帰すが、これが、青空の下だと、おそらく、生命はなかったはずだ。……きのうも、河原畑に、家人の景久が建てておいた高札を、ひき抜いて、毛野川へ抛り捨てたとか。――あの一条でも、ほんとは、豊田の館へ、わが家の郎党が、押し襲せてゆく理由はある。襲せたがさいご、何百騎という荒武者だ、この叔父共が、止せというても、止まらぬぞ。……よいか。この後とも、無分別はいましめろ。つまらぬまねして、下の弟共に、泣きを見せぬがいい」
と、四肢の自由を失っている彼の耳もとへいってきかせた。
将門も、何か、死力をふるって、喚こうとしたが、とたんに、長い廊の橋をこえて、戸外の広前へ、かつぎ出されていた。
「どうする……?」と、そこで、郎党たちの相談だったが、やがて、面倒だとばかり、館の門を出た所の崖際から、下へ向って、将門を、抛り捨てた。
崖は急だが、巨きな杉が、密生しているので、彼の体は、すぐ途中の木の根に、ひっかかった。
「……うごいている。