Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

「……?」

将門は、不快と、怪訝りに、思わず左の手で、太刀のさやを握った。燭は、二ヵ所にもまたたいているが、生憎と、あいての寝顔が見えないため、ずかずかと、男のそばまで、歩いて行った。そして、その図々しい寝顔を、真上から覗いた。

「……おや?」

と思ったとき、反射的に、男も眼をあいた。

熟柿のような顔の眼は、まだ、いくぶんか、とろんとしている。が、将門は、錐みたいに見澄ました。そして、彼より先に、思い出したものらしい。その声には、懐かしさをこめていた。

「あっ、不死人ではないか。――八坂の不死人」

「おう、帰ったのか。小次郎」

男は、むっくり、起き上がった。将門の手へ、手を伸ばした。そして固く握りあった。胡坐と胡坐を対い合せ、顔と顔をつき合せ、二人は茫然と、相見てしまった。

「しばらくぶりだなあ。小次郎。いや近ごろは、将門といっているそうだが」

「うム。お久しぶりだ。まさか、客が和主とは、思わなかった」

「驚いたろう」

「正直。驚いた」

「あはははは。まあ、健在で何よりだ。なるほど、都でも聞いていたが、貴様の館は、大したものだな。さすが、坂東の豪族、桓武天皇の御子、葛原親王の末――平良持がいた頃の勢力がうかがわれる。