Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

「では、来るな、こっちへ」

「必定、お味方の崩れ立って来る方へ、追い慕い、追い慕うて、襲ってくると思われますが」

扶は、こらえているふうだが、具足の下に、ふるえを見せ、顔も、硬直していた。

隆は、かえって、あざ笑った。

「いいじゃないか。こっちの作戦どおりだ。ここにも二陣の伏兵はひそめてある。わざと、勝ち誇らして、彼奴を、部落にさそい入れ、四方から火を放って、焼き殺してしまえばいい」

そこの屋根より高い空で呶鳴る者があった。三男の繁である。繁は、欅の大木から辷り降りながらいった。

「毛野べりの方から、真っ黒なほど、土ぼこりが、こっちへ向いて、駈けて来るぞ。将門と、豊田の奴らにちがいない」

土塀の中は、騒然と殺気だった。扶たちは、馬の背に跳びつくと、たちまちどこかへ、走り去った。郎党たちも、後につづき、残った者は、巧妙に、家々の蔭に、身をひそめた。

やがて土旋風の運んで来た人声やら馬蹄の音が、欅林の中にもけむり出した。将門とその家人に追われて来た扶方の伏兵共が、狩られる野兎のように、あっちこっちへ逃げまどうのであった。そしてついには、敵の一影も見えず、見るのは、将門につづいて来た将頼や将文、そのほか、豊田の郎党だけでしかなくなった。