Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

将門は、涙をためて、読み終った。しかし、かなしい事は何一つないのだ。留守はみな無事だとある。そして、彼女は、終りの方に、

(お帰りのころには、あなたと私との、初めての和子が、豊田の館に、生れているかもしれません)

と、書いてあった。

彼女は、彼が上洛のまえから、妊娠っているらしいことを、良人の耳にそっと告げていた。

――と、もうひとつ、用事がしるしてあった。八坂の不死人が、陸奥の旅の帰りに立ち寄って、四、五日滞留しているという留守中の事を。

ちッと、心の奥で舌打ちに似た気もちがうずいた。あの無頼な男が、また将頼や将平などを、手こずらしているのであるまいか。わが家へでも、帰ったように、酒を出せの、どうせよのと、桔梗にも、難儀をさせていることだろう。……酒や我儘だけならよいが、桔梗は、あんな口達者で狷介な人間は見たこともあるまいから、もし、彼の強引なわるさになど懸らねばよいが、などと妙な不安にも襲われたりした。

一月の末。やっと、初めて、太政官のよび出しをうけ、彼は、おととし以来の、親族間の争いのいきさつを、詳しく申し立てて宿へ帰った。

帰ってから、独りで、しまったと、胸のうちでつぶやいた。