Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

「何たッて、黒谷の欲ばり尼が相手だから、安いものしろじゃ、換えッこねえ。玄米一提げに、おれの胴着一枚よこせと、吹ッかけやがったが、値打は、たっぷりと見て、買うてやった。……どうだ、この童は」

むくむくと、みな起き出して、小次郎の顔を見、装いを見、全姿を、ジロジロ眼で撫でまわして、

「安い。これやあ、安いものだぞ」と、ひとりがいえば、他の者も、安い安いといい囃して、口々に罵った。

「なんだ、それじゃあ、たった今、黒谷の尼と、物蔭で耳こすりしていたのは、その取引だったのか」

「童の着けている狩衣と太刀だけでも、物代以上の値はふめる」

「ふてえ奴。ひとり儲けは、よくねえぞ。おれたち八坂組の掟をやぶるものだ」

「酒を買えやい」

「そうだ。やい、不死人。酒を買うて、みなに振舞え。さもなくば、八坂組の仲間掟は要らぬことになる」

仲間といい、組という。一体、これはどういう類の徒党なのであろうか。もとより小次郎に、理解の力はあり得ない。彼は夢みるような顔して、ここの不思議な焔の色と、不思議な男共の会話のなかに、ぽかんと、ただ身を置いているだけだった。多少、途方に暮れた容子は見せたが、一身の不安などとは少しも感じていないらしかった。