Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans
――敵は豊田を占領して、勝ちほこり、草の根を分けても、こんどは、将門の首を持って帰ると豪語しておるのに」と、将門の油断をいさめた。
将門も、それを、覚らないではない。けれど、乳のみ子を抱いた桔梗が足手まといなのである。それと、自分の病も懶く、なお、妻子との別れ難い気もちも手伝う。
が、危険は、そのほかにも、いろいろ、身近に、感じられてきた。
「しかたがない。しばしの間、さびしい思いを忍んでくれ。きっと、冬の初霜が降りぬまに、以前にまさる味方を募って、羽鳥、水守の敵に、逆襲せをくわせ、そして、そなたを迎えに来るから……」
桔梗は、良人のこの言葉に、涙ながら、うなずいた。いや、乳の香ふかく、ふところに眠っていた幼子へ、母の頬をすりよせたまま、涙の面を上げなかった彼女のほんとの意志は、
「嫌です。……死んでも、離れるのは……」
と、つよく面を振っていたのかも知れないが、将門の眼も、あたりに、深刻な眼をそむけていた郎党たちも、彼女が、豪族の妻らしい覚悟のもとに、けなげにも、頷いたものと、皆、見てしまった。
三艘の漁船が用意された。
漁船の上は、すっかり、苫を敷きならべ、中に、食糧や、夜具や、そして豊田から運び出した重宝の一部だの、すべてを積み隠した。