Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

と、将武は、上の将頼や将平にささやいた。

弟たちには、思いやり深い長兄であったが、この頃は、どうかすると、その弟たちすら、頭ごなしに、どなりつける事がある。そして、ともすると、

「飲もう」と、いい出すのであった。酒量は、以前のようなものではない。大酔を欲しながら、いくら飲んでも、酔えないふうであった。

「怒っても、怒っても、おれはまだ、ほんとに、捨て身で怒ったことはない。それはおれに、生命を惜しませる愛しい者があったからだ。……が今は、何もない。堪忍ぶくろもズタズタだ。今日までは、受け身に廻って戦っていたが、これからは、おれから戦いを布告してやる。――歯を以て歯に酬う――」

彼は、それを、何度もいった。

気のせいか、将門の相貌までが、前とは、違って来たように、誰にも思えた。らんとした光をもち、しかも、あたたかさが、失われている。眸だけでなく、眉が、けわしく、唇は、何ものかを強く結び、桔梗に見せていたあの微笑や、わが子をあやしていたあの和やかな父の笑くぼは、もう永遠に、彼の面上に回って来ないものであった。

冬の初め。ああ、冬の初め。

彼は、初霜を見ると、思い出した。