Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

貞盛の居どころが」

と、弟の将平、将文のふたりが、石井ノ柵へ駆けこんで来て告げた。

「常陸にいる彼の姉の良人、藤原維茂の家に隠れていたんです。そして昨夜、急に、そこを立って、郎党四十騎ほどに守られ、山越えで、東山道から碓氷を越え、都へ帰って行ったそうです。――追えば、追いつけるにちがいありません」

「なに、碓氷越えに出て、都へ向って行ったと」

「まちがいなく、それを眼に見とどけた者の知らせです。――このときを逸しては、再び、彼奴を、手捕りにする機会はありますまい」

「しめたっ――」と、将門は、手を打ってさけんだ。

「天の与えだ。貞盛の運の尽きだ。直ぐ追おうぞ」

具足を着こみ、矢を負い、馬を曳き、将門は、広場に立って勇躍した。

居合せた家人郎党は、百名に足らない。

「柵は、空き巣になってもかまわぬ。一人のこらず従いて来い」

砂ぼこりを揚げて、この日、柵門から出払った。

今は、愛する子も妻もない仮の館といえ、ここを羽鳥の敵に明け放しても、ただ一個の貞盛を逃がすまいとする彼の決意であった。

その意気ごみから見ても、いかに彼が、貞盛という賢くて陰性な敵にたいして、日頃から、いや都に舎人奉公していた弱冠のむかしから、心中の怒りを抑えていたか、また、近年の憤怒をつつんで密かに今日の機会を待っていたことかが、察しられる。