Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Lisez 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 166 525 caractères · 334 écrans
その百三
一月二日に保の友武田準平が刺客に殺された。準平の家には母と妻と女一人とがいた。女の壻秀三は東京帝国大学医科大学の別科生になっていて、家にいなかった。常は諸生がおり、僕がおったが、皆新年に暇を乞うて帰った。この日家人が寝に就いた後、浴室から火が起った。唯一人暇を取らずにいた女中が驚き醒めて、烟の厨を罩むるを見、引窓を開きつつ人を呼んだ。浴室は庖厨の外に接していたのである。準平は女中の声を聞いて、「なんだ、なんだ」といいつつ、手に行燈を提げて厨に出て来た。この時一人の引廻がっぱを被た男が暗中より起って、準平に近づいた。準平は行燈を措いて奥に入った。引廻の男は尾いて入った。準平は奥の廊下から、雨戸を蹴脱して庭に出た。引廻の男はまた尾いて出た。準平は身に十四カ所の創を負って、庭の檜の下に殪れた。檜は老木であったが、前年の暮、十二月二十八日の夜、風のないに折れた。準平はそれを見て、新年を過してから薪に挽かせようといっていたのである。家人は檜が讖をなしたなどといった。引廻の男は誰であったか、また何故に準平を殺したか、終に知ることが出来なかった。
保は報を得て、馳せて武田の家に往った。