Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Lisez 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 166 525 caractères · 334 écrans
御用に立ちそうな人と思われるから、お召抱になるように申し立てようと思う。しかしその紋は当分御遠慮申すが好かろう。由緒のあることであろうから、追ってお許を願うことも出来ようといった。
五百は家に帰って、父に当分紋を隠して奉公することの可否を相談した。しかし父忠兵衛は即座に反対した。姓名だの紋章だのは、先祖から承けて子孫に伝える大切なものである。濫に匿したり更めたりすべきものではない。そんな事をしなくては出来ぬ奉公なら、せぬが好いといったのである。
五百が山内家をことわって、次に目見に往ったのが、向柳原の藤堂家の上屋敷であった。例の考試は首尾好く済んだ。別格を以て重く用いても好いといって、懇望せられたので、諸家を廻り草臥れた五百は、この家に仕えることに極めた。
五百はすぐに中臈にせられて、殿様附と定まり、同時に奥方祐筆を兼ねた。殿様は伊勢国安濃郡津の城主、三十二万三千九百五十石の藤堂和泉守高猷である。官位は従四位侍従になっていた。奥方は藤堂主殿頭高の女である。
この時五百はまだ十五歳であったから、尋常ならば女小姓に取らるべきであった。それが一躍して中臈を贏ち得たのは破格である。