Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Lisez 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 166 525 caractères · 334 écrans
五百の帰った紺屋町の家には、父忠兵衛の外、当時五十歳の忠兵衛妾牧、二十八歳の兄栄次郎がいた。二十五歳の姉安は四年前に阿部家を辞して、横山町の塗物問屋長尾宗右衛門に嫁していた。宗右衛門は安がためには、ただ一つ年上の夫であった。
忠兵衛の子がまだ皆幼く、栄次郎六歳、安三歳、五百二歳の時、麹町の紙問屋山一の女で松平摂津守義建の屋敷に奉公したことのある忠兵衛の妻は亡くなったので、跡には享和三年に十四歳で日野屋へ奉公に来た牧が、妾になっていたのである。
忠兵衛は晩年に、気が弱くなっていた。牧は人の上に立って指図をするような女ではなかった。然るに五百が藤堂家から帰った時、日野屋では困難な問題が生じて全家が頭を悩ませていた。それは五百の兄栄次郎の身の上である。
栄次郎は初め抽斎に学んでいたが、尋いで昌平黌に通うことになった。安の夫になった宗右衛門は、同じ学校の諸生仲間で、しかもこの二人だけが許多の士人の間に介まっていた商家の子であった。譬えていって見れば、今の人が華族でなくて学習院に入っているようなものである。
五百が藤堂家に仕えていた間に、栄次郎は学校生活に平ならずして、吉原通をしはじめた。