Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans
――だが、ゆうべは虚無僧、今朝は女の旅姿、それに、声も少しちがっていたが」
馬蹄のほこりを浴びながら、韋駄天と追ってゆく加山耀蔵。
彼もまた、波越八弥と同じような疑問にぶつかった。――二人の花世? ゆうべの花世? 今朝の花世?
それとも、すべてが同一人なのかと。
必死になって、十町あまり追いかけた。しかし、先は馬、こっちは徒歩である。殊に女の手綱があざやかなので遂に見失ってしまった。
「加山!」
どんと、肩を支えられて、
「あっ」
「どこへ参るのだ」
「これは、羅門氏でしたか」
息を喘ぎながら見廻すと、ゆうべの宿、青砥屋を立って来た東儀与力以下の人々と軍鶏籠とが、列をつくって、眼の前をふさいでいた。
「ただ今、この道筋を、若い女が、馬に乗って逃げたはずですが」
「ウ、見かけたが、それがどうしたのですか」
「怪しい女です。花世かも知れません。五、六名ほど手をお貸し下さるなら、すぐに追いついて、引っ捕えて参ります」
「待て待て」
と、羅門は逸り立っている彼の袖をつかんで、
「貴公は、何か手功焦りをしているな」
「ど、どうしてですか」
「上ずッておる。まあ落着き給え。――拙者もたしかに今の女を見かけたが、花世とまるで別人だ。