Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans
「え、お出かけですか」
「む。日和もよいしな……」
「どちらへ」
「あてもないが、戸外でも歩いたら、またよい智慧も出ようというものだ」
梯子段を下りかけると、茶菓子の盆と土瓶を持って、上がって来た舟辰が、
「あ。老先生、今、お茶を入れて参りましたが」
「出先じゃ。帰ってから馳走になろう」
「では、手前がお供をいたしましょう」
「きょうは、よい」
「よかアありません」
「よいと申すに」
「いいえ、独りじゃ物騒です。あっしでいけねえなら、加山さんを連れておいでなさい」
「耀蔵はまだ、体の回復が充分でない。きょうは、独りで行くよ。心配せんでもいい」
「そんなことを言ったって、心配しずにゃいられません。老先生は平気のようだが、家の女房や若い者まで、どんなに、案じているかわかりません。――恐ろしい悪党の仲間が、夜となく昼となく老先生のお命を狙っているんだ。この頃は、野良犬みたいに、家の裏口から覗いたり、夜半に、真っ黒な人間が、物干しに屈みこんでいることも、幾度だか知れませんぜ」
「それやあしかたがないよ。わしの方から、挑戦したんじゃ。昔の塙隼人に返って十手をつかみ、あくまで闘うという宣言をしたからには、悪党どもも自衛上、わしを殺そうとするのは当りまえじゃ。