Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

三

「かの与吉と申す町人、われわれにこんな恥をかかせやがって、眼にものみせてくれるぞ」

空威張り――肩で風を切って、とんがり長屋の路地を出てゆく。もうこうなると、長屋の連中は強気一点ばりで、

「おう、どうでえ。八や、あの鬼みてえな乞食先生が、フラリとはいっていったら、めだか四匹逃げ出したぜ」

「おうい、おっかア、波の花を持ってきなよ。あの四人のさんぴんのうしろから、ばらばらっと撒いてやれ」

振りかえってにらみつけると、どっと湧く笑い。四人は逃げるように、妻恋坂をさして立ち去りましたが、さて、そのあと。

せまっくるしい作爺さんの家では、きちんとすわりなおしたお爺さんが、お美夜ちゃんをそばへひきつけて、

「どなたかは存じませぬが――」

大胡坐の泰軒先生へ向かって、初対面の挨拶をはじめていた。

三

「どなたかは存じませぬが――」

と言いかけた作爺さんの言葉を、泰軒居士は、ムンズとひったくるように、

「いや、おれがどなたかは、このおれも御存じないような始末でナ……かたっくるしい挨拶は、ぬき、ぬき――」

大声に笑われて、作爺さんは眼をパチクリ……鬚むくじゃらの泰軒の顔におどろいて、お美夜ちゃんは、そっと作爺さんのかげへかくれましたが。