Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
三
萩乃はそれも、耳にはいらなかった。
三
恋すちょう、身は浮き舟のやるせなき、波のまにまに不知火の、燃ゆる思い火くるしさに、消ゆる命と察しゃんせ。世を宇治川の網代木や、水に任せているわいな……といった風情。
艶なるものですナ。
早く産みの母をうしない、素性の知れない義理の母、お蓮様には、つらいめばかり見せられて、泣きのなみだのうちに乙女となったこの青春の日に、また、たった一人の、頼りに思う父に死に別れたのみか、わが夫へときまった人をこんなにおもっているのに、それも、継母やあのいやらしい丹波から、じゃまの手がはいって、いまだに、祝言のさかずきごとさえあるじゃなし――。
道場の一郭は、源三郎が引きつれてきた伊賀の若侍に占領されて、そこでは日夜、大江山の酒顛童子がひっ越して来たような、割れるがごとき物騒がしい生活。
早く文句をつけてくれ、そうしたら一喧嘩してやる……と言わぬばかり。亡き父が自慢にした絞りの床柱は、抜刀の斬り傷だらけ、違い棚にあった蒔絵の文箱は、とうの昔に自炊の野菜入れになっているという侍女の注進である。そのワアワアいう物音が、遠く伝わってくるたびに、萩乃は、ゾッと恐怖におののくのだった。