Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

三

日本のはて、どこの山奥までも、ただちにおもむく、……してまた、その財宝を手に入れるまでに、この濡れつばめは何度人血をなめねばならんことか。ウフフ、働いてくれよ」

いささか憮然たる面持ちで、左膳は、ひだりの膝がしらに引きつけた長刀、相模大進坊の柄を按じて、うすきみのわるい含み笑いをしました。

そして、何ごとか思いさだめたふうで、

「イヤ、壺をひらいてしまえばそれまでだ。ひらくまでが、たのしみなのだ。なかなかあけねえところに、そのたのしみは長くつづく」

お藤はあっけにとられた顔で、

「なにを酔狂なことを言ってるんですよ。唐人の寝ごとみたいな……じゃ、あたしゃ先に寝ますよ」

なにげなさそうに言って、しどけなく帯をときながら、ユラリと起ちあがったが。

そのお藤の胸中には。

はや一つの思いきった考えが、ちゃくちゃく形をとりつつあったので。

男には、恋は全部ではないかも知れない。

だが、女には、恋こそはその全生命、全生活なのです。だから、恋のため……ことに、かなわぬ恋のためには、なんでもする。とくに、お藤のような性格の女は。

と、そのとたんだった。ちょうど彼女が、何をいってるんですよ、唐人の寝ごとみたいな――と言った時。