Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

親なし千鳥

一

「だが、待った! 品物は与吉のものに相違あるめえが、返すにゃおよばねえぞ小僧」

「へ? タタ丹下の殿様、そ、そんなわからねえ――」

「なんでもよい。壺はあらためて左膳より、この小僧に取らせることにする」

よろこんだのは、チョビ安で、

「ざまア見やがれ! やっぱりおいらのもんじゃアねえか。さらわれる小父ちゃんのほうが、頓馬だよねえ、乞食のお侍さん」

「先生、旦那、いやサ、丹下様」

と与吉は、持ち前の絡み口調になって、

「あんまりひでえじゃあござんせんか。あっしゃアこのお裁きには、承服できねえ」

「なんだと?」

左膳の顔面筋肉がピクピクうごいて、左手が、そっと、うしろの枯れ枝の刀かけへ……。

「もう一ぺん吐かしてみろ!」

「ま、待ってください。ナ、何もそんなに――」

ぐっと左膳の手が、大刀へ伸びた瞬間、これはいけないと見た与の公、

「おぼえてやがれっ!」

と、チョビ安へひとこと置き捨てて、その蒲鉾小屋を跳び出した。

親なし千鳥

一

いくら大名物のこけ猿でも、いのちには換えられない……と、与吉が、ころがるように逃げて行ったあと。

朝からもう何日もたったような気のする、退屈するほど長い夏の日も、ようやく西に沈みかけて、ばったり風の死んだ夕方。