Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

三

三

それと見るより、与吉、顔色を変えた。この連中にとっ掴まっちゃア、たまらない。たちまち、小意気な江戸ッ児のお刺身ができあがっちまう。

「うわあっ!」

と、とびあがったものです。

むこうでも、すぐ与吉に気がついた。気の荒いなかでも気のあらい脇本門之丞、谷大八なんかという先生方が、

「オ! おった! あそこにおる!」

「やっ! 与吉め、おのれっ!」

「ソレっ! おのおの方ッ!」

「天道われに与せしか――」

古風なことを言う人もある。ドッ! と一度に、砂ほこりをまきあげて、追いかけてきますから、与吉の野郎、泡をくらった。

もう、ところてんどころではありません。

「おウ、チョビ安といったな。此壺をちょっくら預かってくんねえ。あの侍たちに見つからねえようにナ、おらア、ぐるッとそこらを一まわりして、すぐ受けとりに来るからな」

と、見えないように、箱ごと壺を、ところ天屋の小僧のうしろへ押しこむより早く、与の公、お尻に帆あげて、パッと駈け出した。

いったい、このつづみの与吉ってえ人物は、ほかに何も取得はないんですが、逃げ足にかけちゃア天下無敵、おっそろしく早いんです。

今にもうしろから、世に名だたる柳生の一刀が、ズンと肩口へ伸びて来やしないか。