Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
四
その手に、一本ずつ秋の流水が凝ったと見えるのは、一同、早くも抜きつれたのだ。
「理不尽!」
口のなかでうめいた左膳は、左手で、ちょっとチョビ安をかばいながら、顎を突きだし、顔を斜めにして高大之進を見やった。
その鼻先にドキドキする高大之進の斬っ尖が、ころあいをはかってヒクヒク突きつけられている。
ニヤリと笑った左膳だ。
「フム。そんなにおれを斬りてえのか、おい! そ、そんなにこの左膳の血を見てえのかっ」
と、ひとことずつせりあがるように、
「イヤサ、どうでも手前らは斬られてえのだな。ウム? 死にてえのだナ?」
くぎるように言いながら、そっと左右に眼をくばった剣妖左膳、ものうそうに欠伸まじりに、
「血迷ったな、伊賀侍ども。よしっ、相手になってやるっ!」
言葉の終わらぬうちに、足をひらいた左膳、ツと体をひくめたかと思うと、腰をひねって流し出した豪刀濡れ燕の柄! たっ! と音して空につかむより早く……。
「洒落くせえっ!」
正面の敵、高大之進はそのままにしておいて。
白いかたまりのように、横ッ飛びに左へ飛んだ丹下左膳は、その左剣を、抜き放ちに後ろへ払って。
折りから――。