Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
火吹き紅竹
一
足をはこぶたびに、例のおんな物の下着が、ぱっぱっと、夜眼にもあざやかにおよぐ。
ひだりの一本腕の下に、こけ猿の包みをかかえた左膳、やがて、月を踏んで帰り着いたのは、駒形の高麗やしき――尺取り横町のお藤の家だ。
「おい、お藤! あけてくれ……おれだ。左膳様のお帰りだ」
あたり近所をはばかって、トントンと静かに雨戸をたたく。
なかから、つっかけ下駄で土間へおりるけはいがして、スーッと音もなく戸があいた。
さらりとした洗い髪、エエモウじれったい噛み楊枝……といった風情。口じりに、くろもじをかみ砕きながら、お藤姐御の白い顔が、ほのかな灯りに浮かんでのぞく。
「ま、お前さん。今ごろまでいったいどこを、ほッつき歩いていたんですよ」
と、キュッと上眼使いににらみあげるのも、女房きどりのうらみごとです。
左膳は、あの仮りの子チョビ安をつれて、もうだいぶ前から、この櫛巻お藤の隠れ家へころげこんでいるのだ。それというのも、なかばは姐御のほうから、どうぞいてくださいと一生けんめいにひきとめているので……櫛まきお藤、この、隻眼隻腕のお化けじみた左膳先生に、身も世もないほどゾッコン惚っているんです。