Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
ありがたく頂戴
一
剣鬼左膳の片手から生あるごとく躍動する怪刀濡れ燕の刃にかかって……いまごろは、三つの死骸が飛び石のように、夜の町にころがっているに相違ない。
壺も壺だが。
気になるのは、チョビ安の身の上。
野中の一本杉のような丹下左膳、親も妻子もない彼に、ああして忽然として現われ、親をもとめる可憐な心から、仮りにも自分を父と呼ぶチョビ安は、いつのまにか、まるで実の子のような気がして、ならないのでした。
ほんとうの人間の愛を、このチョビ安に感じている左膳なんです。
もう、半狂乱。
壺の木箱を左の腋の下にかいこみ、同じ手に抜刀をさげて、あわてたことのない彼が、一眼を血眼にきらめかし、追われて行ったチョビ安の姿をさがしもとめて、駒形も出はずれようとするここまで来ると。
とある横町に、パッと灯のさしている家があって、ガヤガヤという怒声、罵声の交錯。でも、ふっとのぞいてみたそこに、チョビ安がおさえられているのみか、あの櫛巻きお藤がとぐろを巻いていようとは、実に意外……!
「なんだ、お藤じゃアねえか。ここはおめえの巣か」
言いながら左膳、冷飯草履をゴソゴソとぬいで、あがってきた。