Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
蒼白な顔に、決意の笑みを浮かべた源三郎、やおら馬をめぐらして、土橋を渡り、葛西領の四ツ木村のほうへと向かって行く。
玄心斎は、馬をいそがせて、
「若っ! 仮りにも老先生の御後室、婿のお身にとっては母上でござるぞ。斬り捨ててよいものならば、今までにもいくらも折りがありましたものを……あれほど無言の戦いを、そもそもなんのために今まで辛抱強く突っぱってこられたか。それを篤と御勘考のうえ、ここはひとまず思いとまられて、お返しください。おかえしください!」
「爺っ! 臆病風か」
「めっそうもござりませぬ。なれど、智謀には智謀をもって対し、隠忍には隠忍をもって向かう……お引っ返しくださいっ! 若っ!」
「十五人ほどの腕達者が、ひきそっておりますとのこと――」
谷大八の声は、横から風にうばわれてしまう。
雨はいよいよ本降りとなって、先頭の源三郎を、はばむがごとく濡らすのであった。
「暴風雨じゃのう」
源三郎の白い歯が、チカリと光って、すぐあとにつづく門之丞を、振り返った。
五
客人大権現の境内、ずいぶん広い。
その一隅……生い繁る老樹のかげに、風流な柴垣をめぐらした一棟がある。