Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
三
生一本な源三郎です。このお蓮様の涙は、ただちに源三郎の心臓にふれて、彼は苦しそうに、つと起って縁の雨戸の間から、雨に乱れた庭へ眼を放った。
さっきお蓮様が丹精していると言った、うす紅色の芙蓉の花は、無残に散り敷いている。それは、いまのお蓮様の姿のように、憐れにも同情すべきものとして、源三郎の眼に映ったのでした。
三
お蓮様は、その源三郎の立ち姿を、仮面のような顔で、いつまでも見守っていました。
玄心斎がニヤニヤして、
「お気が弱くなられましたな、御後室様。ははははは」
ニッコリうちうなずいたお蓮様、
「気が弱くもなろうじゃアありませんか。あなたのようなお強い方々が、女一人を取り巻いて、いじめるんですもの」
「どうですかナ」
谷大八も気がるな声が出て、お蓮様と笑いをあわせた。
源三郎は静かに座に帰り、
「では、ど、どうなさろうというので」
「それを明日にでも、ゆっくり御相談申しあげたいと存じまして」
チラリと一同の顔を見たお蓮様は、
「わたしは、またすこし悪寒がしてきましたから、これで失礼を」
衣の重さにも得堪えぬように、お蓮さまはスラリと立って、部屋を出て行きましたが……源三郎はそのあたりを払うばかりの美しさに打たれて、思わず、あと見送らずにはいられなかった。