Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
帯は空解け
一
こう、闇に声を聞いて、ピタリとまりました。
今なら、コンクリートの遊歩道路に、向島へいそぐ深夜の自動車がびゅんびゅんうなって、すぐ前はモダンな公園……というところですが、昔あの辺は、殺し場の書割めいた、ちょっとものすごいところで、むこう側は、花川戸から山之宿へかけての家々の洩れ灯が、金砂子のように、チカチカまたたいている。
こっちは、橋のすぐとっつきが、中の郷瓦町、その前が細川能登守、松平越前様の門、どっちもこれがお下屋敷でございまして、右手、源兵衛橋を渡った向うに、黒々と押し黙る木々は、水戸様の同じくお下屋敷。夜眼にも白い海鼠塀が、何町というほどズウッとつづいているのが、道のはずれに遠く見える。
中をつないで、七十六間のあづま橋。
真夜中の江戸は、うそのようにヒッソリ閑としています。折りから満潮とみえまして、ザブーリ、ザブリ、橋杭を洗う水音のみ、寒々とさえわたって、杭の根に、真白い水の花がくだけ散っている。
ギイと駕籠の底を軋ませて、地面におろした先棒が、息杖によりかかって、
「ヘイ。駕籠の御用で――」
かたわらの暗黒の奥を、すかし見た。
ノソリと現われたのは、野狩りのかえりででもあろうか、たっつけ袴をはいた若い侍で、