Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
四
驚愕のあまり、うしろざまに片手をついた拍子に、派手な寝間着の膝がわれて匂いこぼれる赤いもの。
萩乃はいそいで、その裾前をつくろいつつ、
「お酔いになって、とまどいなすったのではございませんか。ここは、あなた様方のお部屋ではございません。女の夜の部屋……どうぞ、おひきとりくださいまし」
「いや、酔っているのでも、ねぼけているのでもありません」
ズカリとそれへすわった門之丞、思いつめた面上には、ものすごい蒼さがはしり、もう、眼をすえている。
「萩乃さま、どうぞ、お静かに――思いきって、こうして夜中、お寝間と知って、推参いたしました門之丞、かなわぬまでも、この胸のうちだけはお聞きとりねがいたいと存じまして……」
「まあ、あなた様は、なんという無礼なことを! 女ひとりとあなどって――」
萩乃は、すっくと起ちあがった。とたんに、怒りにもえる彼女の眼にうつったのは、机のうえに二つ仲よく並んでいる、小さな博多人形のお内裏様。
源三郎さまと、自分と……この男は、さっきから障子のそとで、じぶんがこの人形をくっつけておくところなど、そっと垣間見ていたに相違ない。そう思うと萩乃は、このとっさの場合に、火のように赤くなりながら、あわてて、机の上の二つの人形をはなしました。