Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
十
「しかし、徳川に智恵を貸してやるには、一つ条件があるが……」
大岡様と愚楽は、ちょっといぶかしげな顔を見合わせた後、異口同音に、
「それは、どういう――」
「ただ一つの条件とは、いったい何……」
泰軒は、キチンとすわりなおして、
「大政を朝廷へ奉還することじゃ」
「まじめになって言いだすから、こっちも緊張してきいていればハッハッハ、――泰軒はいつもこれじゃ。それは、われわれの手ではどうにもならん。チと条件が大きすぎるぞ」
忠相のおだやかな笑いに、愚楽老人もにこにこして、
「いや、むろん、そうあるべきところ。徳川も十五代も続きましたらば、いずれ、そういうことになるでしょう」
どうです。御一新はこの時分から、ちゃんと約束されていたんだ。
いったい泰軒が、こんなことをヒョコヒョコ言いだすには訳がある。それは、事につけ物にふれ、要路の大官へむかって尊王思想を宣伝しようという気持。泰軒だって、こけ猿の茶壺と天下の大政をいっしょに考えちゃアいない。
笑いだした泰軒は、
「そうか。よろしい。では、それまでおとなしく待つとして……ドッコイショッ」
ごろりと横になって、肘まくら。