Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

四、五丈も落ちたであろうか。猛烈な勢いで、全身横ざまに地底をうち、ハッと気がつくと、そこは、土を四角にきりひらいた四畳半ほどの小部屋である。

落ちながら刀をはなさなかったので、濡れ燕を杖に、いたむ身をささえてやっと起きあがろうとすると、闇黒の中に声がした。

「おお! ササ、左膳じゃアねえか。丹下左膳、ひさしぶりだなア。あはははは、その後は御無沙汰……」

水滴々

一

左膳は、ただ一直線におちたような気がしたが。

穴は垂直ではなかった。

直径三尺ほどの幅に、急な勾配をもってずっとこの地底のあなぐらへ通じているのである。

察するところ、その地下室は、地上の穴から斜めに入りこんで、ちょうどあの、路傍を流れる三方子川の真下にあたっているらしい。

左手に濡れ燕を突いて起きあがった左膳、したたか腰をうったらしく、抜けるようにいたい。

「イヤ、不覚……」

苦笑しながら、掘りたての土軟かな床へ、刀を突きさし、ひだり手で腰のあたりをさすろうとした時……今あの、タ、丹下左膳ではないか、ひさしぶりだナ、その後は御無沙汰、という声がしたのだ。

「誰だっ?」

左膳、濡れ燕をかまえるが早いか壁に飛びのいて、眼をこらした。