Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

十

この騒ぎが、奥へも知れぬはずはない。庭を明るくしようと、侍女たちが総出で雨戸を繰り開け、部屋ごとに、縁端近く燭台を立てつらねて、いつの間にか、真昼のようだ。廊下廊下を走りまわり、叫びかわすおんな達の姿が、庭からまるで芝居のように見える。

左膳は、一眼をきらめかせて、源三郎をにらみ、

「なお、おい、源公。乗合い舟が暴風をくらったようなものよなア。おれとおめえは、なんのゆかりもねえが、ここだけアいっしょになって、こいつらを叩っ斬ろうじゃアねえか」

十

はからずも顔をあわせ、焼刃をあわせた左膳と源三郎……今後長く、果たして敵となるか、味方となるか――。

「では、この勝負、一時お預けとするか」

「さよう、いずれ後日に……」

ほほえみかわした二人は、サッと背中を合わせて、包囲する司馬道場の若侍たちへ、怒声を投げた。

「こいつらア、金物の味を肉体に知りてえやつは前へ出ろっ!」

と左膳、ふりかぶった左腕の袖口に、おんな物のはでな長じゅばんを、チラチラさせて。

源三郎は、丹波の大刀を平青眼、あおい長い顔に、いたずらげな眼を笑わせて、

「命不知火、と申す流儀かの」

与吉は、丹波について部屋へ行ったとみえて、そこらに見えなかった。