Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
その初志とは、壇ノ浦の使命終わって後、もう、二度とは、戦を避けたいと、ひそかに、誓うところがあったものと、私は、解釈する。なぜといえば、義経の衆望と力は、充分、鎌倉と戦いうるだけの地歩は占めていたし、また、機会もなくはなかったのである。たとえば、叔父新宮行家が、あれ程すすめたり、頼朝追討の院宣を手にしてさえも、彼は、開戦へは、うごかなかった。
――その点、意気地なしの義経には、弁護の余地がない。「戦おうか、戦うまいか」それを迷いに迷ったろうが、それだけに、愛人の捕われもよそに見過ごし、草木のそよぎにも、身をちぢめて潜伏していた彼の姿は傷ましい。あわれというよりは、篠原治さんの語をかりれば、焦れったい極みである。だが、過去遠い歴史となったが、彼が忍んだために、少なくも、兄弟弓を引きあう血みどろな乱は、見ないですんだのだ。義経は、どう意気地なしに書かれても、地下では、ある一時代の平和を剋ちえた誇りだけで、莞爾と、どこかで霊の満足をえていることであろうと思う。
この二た月ほどは、また軽井沢で仕事をしている。ここでの起居は半裸生活みたいなものだ。バンガローの床に机をすえ、皮膚だけは一人前に黒くなった。