Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
淀川から神戸界隈の巻
社瀑にあらず、寺瀑にもあらず
わが名は、那智の滝なり
よけいなおせっかい。はなはだつまらない。しかし、那智の印象は、この国がもっとも平和で最も美しかった時代の処女に会ったように、忘れがたい。いろいろな意味で来てよかったと思う。その朝の幸を感謝された。杉本画伯も恋々と那智の美について車中語りつづける。
那智駅で大阪行き急行を待つ。この海辺の駅の清潔なのと、またホームの構造に頭がつかってあるのに感心する。磯松の大樹がよく建築の中に生かしてあるなど、気のきいている駅である。
車中、窓外に蜜柑山をしばしば見、またよく蜜柑を食べ、五時何分かに、大阪の天王寺駅に降りる。社のY氏、H氏などと、ラッシュアワーの中で、やっと出会う。朝日会館の「あさか」で友人の河合卯之助氏だの富田砕花氏、また京阪間の平家史蹟にあかるい先輩たちが待っていてくださる由、すぐ迎えの車にとびこむ。
大阪の市街は、東京よりも、なぜか暗い気がした。通った街のせいかとも思う。(二六・二・一八)
淀川から神戸界隈の巻
街の騒音にも性格がある。大阪の音と、東京の音とでは、何かちがう。朝、旅館の壁の中で、眼をさましても、大阪の音が、すぐ、耳へ混み入ってくる。