Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
会津磐梯山の巻
あえて、家庭にお留守番している杉本夫人のために断っておくが、健吉さんが、こう女を語ったことは、前後、稀れなんである。いやこの時しかないといっておこう。しかしぼくら一行は、この杉本健吉談を、どうも、何かを錯覚した白昼夢ではないかと、今もって、じつは、疑っているのである。(二八・三・二〇)
会津磐梯山の巻
十一時過ぎ、会津田島の駅前に着く。
やれやれである。車を降りて腰を伸ばす。
山下運転手君の労をねぎらい、ここで別れる。唯々黙々として、三十何年型が、ふたたび同じ山岳中へ帰ってゆく。何か、単なる労働と報酬だけの関係ではない気がする、すまない気がする。
若松行列車、まだ改札していない。駅前をうろつき、りんご一袋、山栗一袋、買いこむ。
汽車の窓でこの山栗を剥いてポツポツ齧る。連れの諸子にも、仲よく分け合う。星野通信局長、若松からわざわざ迎えにお見えの由、恐縮する。土地っ子の星野君には栗を上げない。車中、知り人も多いだろうし、不行儀は、遊子のなすところで、土地の紳士にすすめられない。
若松着。東山の向滝で昼食。
会津高校教授の平山武美氏、東北農村研究所の山口弥一郎氏、連れだって来訪、案内してくださるという。