Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
鵯越えに立ちて
たった今、丘に立って、八百年前を回顧していたぼくの幻想は、一足跳びに、現実の世界に舞い戻され、義経も範頼も、能登守教経も、敦盛も熊谷も、みなパチンコ機械の中をグルグル巡りまわる一個一個の玉みたいに、もんどりを打ち、転げまわり、そして何かひとりでおかしくなって来てたまらなかった。人間がパチンコ機械を遊んでいるのか、機械が人間をからかっているのか、それとも、玉の乱舞が両者の生存を支配しているのか、ちょっと、判定がつきかねた。(二九・七・一一)
鵯越えに立ちて
車は狭い町幅を市街の北方の山へ向かってゆく。長田神社の横を、宮川に添い、明泉寺からは登るばかりで、やがて黄昏近くに、やっと鵯越え遊園墓地の下までたどりついた。
車を捨て、遊園墓地を、さらに上へ登りつめてゆく。見晴し台といったような、さいごの高所には、観音さまの巨大なコンクリート像が聳え、その横に、香華を売る小屋があった。小屋のすぐ前の山道が、すなわち古来有名な鵯越えの本道だった。
ここまででも、登りはずいぶん長い間の登りである。そして小屋の婆さんに訊くと、これから先の高尾山から藍那、淡河といった山中までも、まだまだ登り続きだそうである。