Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
古い鏡と今日の顔
平家的な宇宙観からいえば、この書もまたうたかたの書に過ぎないかもしれない。しかし、平家源氏のあとを見ても、結局、人間宿業の子は宿業の限りを尽してみるしかあるまい。雀百までの愚を思わないではないが、「新・平家物語」の完成に、あえて、また老骨を机に屈めこんでいる気もちは正直それに尽きている。(昭和二十六年六月)
古い鏡と今日の顔
この二巻「九重の巻」では、作中人物の清盛も、だいぶ大人になってゆく。
清盛という人間――への清盛観は、前号の栞にも書いたし、週刊の“新・平家今昔紀行”でも書いたが、そういう作家的な考えと、歴史の見方にもとづいて、彼を性格づけたり、風貌を彫りこんでくると、もうこの清盛は、ぼくが書いていながら、ぼくの自由にならない一個の見えない生命になってくる。
彼には、彼自身でなければ左右できない意志があり、理想があり、運命の選択がある。――小説構成の都合などで、強いてそれを歪めれば、ぼくの仕事は、自分で造った彫像を自分の鎚で砕いてしまうのと同じ結果になってしまう。
ひとり清盛ばかりでなく、文覚でも西行でも、悪左府でも忠通でも、また義朝や新院の君でも、みな同じことがいえる。