Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
三
もっとも、名前じゃあない。なまめかしい筆で、御礼と……。
なにか道場によろこびでもあって、この紅ふでの包みを拾おうものなら、天下一の果報者というわけ。
いま群衆のなかに。
肩肘はった浪人者や、色の生っ白い若侍のすがたが、チラホラするのは、みんなこの、たった一つの萩乃直筆のおひねりを手に入れようという連中なので。
音に聞く司馬道場の娘御に接近する機会をつくり、あとはこの拙者の男っぷりと、剣のうで前とであわよくば入り婿に……たいへんなうぬぼれだ。
世は泰平。
男の出世の途は、すっかりふさがってしまっている。
腕のあるやつは、脾肉の嘆に堪えないし、腕もなんにもない当世武士は、ちょいとした男前だけを頼りに、おんなに見染められて世に出ようというこころがけ――みんなが萩乃を狙っているので。
現代で言えば、まア、インテリ失業者とモダンボーイの大群、そいつが群衆の中にまじって、
「老師がお亡くなりになった今日、必然的に後継の問題が起こっておるであろう。イヤ、身どもが萩乃どのとひとこと話しさえすれば……」
「何を言わるる。御礼の不知火銭を拾うのは、拙者にきまっておる。