Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate
三
手前のひげっ面にゃア用はねえが、その鬚っ面のくっついている首に少々ばかり用があるのだ。首が所望だっ……と、おらあ言いてえよ、うふふふっ」
泰軒は、徳利といっしょに、両手をうしろにまわして、ユックリ背伸びをしました。
「化け物――」
と、静かな声で、左膳に呼びかけた。
「なんだ」
化け物といわれて、左膳は平気に返事をしている。
自分から、ばけものの気……。
橋の上と下とで、変り物と化け物との、珍妙な問答はつづいてゆく。
「これ、其方ごとき者でも、生ある以上、動物の本能といたして、日一刻も長生きしたいと願うであろうナ、どうじゃ……」
三
生ある以上、いつまでも生きていたかろう、どうじゃ……という、禅味を帯びた泰軒のことばに、左膳はニヤッと笑って、
「なんのつもりで、そんなことをいうのか知らねえが、おらア何も、むりに生きていてえこたアねえ。生まれたついでに、生きているだけのことだ。名分せえ立ちゃア、いま死んでもいいのだが、それがどうした――」
橋の下から見あげて、そう問いかえす左膳の片眼は、秋陽を受けて異様に燃えかがやいている。
泰軒はぐっと欄干につかまって、乗り出した。