Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

お数寄屋坊主は、その諸侯の羽織のおかげで、殿中でもウンとはぶりがきいたものなんです。おれはきょうは堀備中守さまのお羽織を着ている、イヤ、きょうの下拙の紋は、捧剣梅鉢で加賀中納言様だゾ――なんかといったあんばい。

でも。

その諸侯の長たる将軍家の拝領羽織を着ているものは、ひとりもない。

愚楽老人はお坊主ではございませんが、終始、チャンとそのお拝領を一着におよんでいるのは、この老人たったひとりなのだ。

お湯殿以外のところでは、つねにその羽織を着て、肩で風をきっている。もっとも、三尺そこそこだから、肩で風をきるという、颯爽たるようすにはまいらない。裾はひきずり、手なんかスッカリかくれて、ブクブクです。まるで狼が衣を着たよう……。

それでも、何かというと、背中の瘤にのっかっている大きな葵の御紋を、グイと突き出して見せると、老中でも、若年寄でも、

「へへッ!」

とばかり、おそれ入ってしまう。

本人は得意気で、

「虎の威を借る羊じゃ」

というのが、口癖。よく知っているんです。――上様も、だまって見て、笑っていらっしゃる。

その、拝領のお羽織の袖をまくった愚楽老人……柳生はだいぶ弱っておるかの?