Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

「これと思って手に入れてみれば、みな偽物」

「御家老も、そのにせ猿を一つ作られたというではないか、ハッハッハ」

「田丸様、こんな厄介なこととは、夢にも思いませんでした」

「毎日毎日あてどもなく、江戸の風にふかれて歩くだけで、どこをどう手繰っていけばよいやら……」

ワイワイというのを、高大之進は、

「弱音をはくなっ!」

と、一言に制して、

「とは言いますものの、田丸先生、拙者も、一同とともに泣きごとを並べたいくらいじゃ。かようなややこしい仕事は、またとなかろうと存ずる」

主水正は声をはげまし、

「さようなことを申しておっては、はてしがない。君公のおためじゃ。藩のためじゃ。日限をきり申そう。むこう一ト月の間に、是が非でも、こけ猿を入手していただきたい」

「ナニ、むこう一ト月のあいだに?」

そう、大之進がききかえしたとたん、主水正をおしのけるようにして、道場の入口から駈けこんできた二人の人影……安積玄心斎と谷大八が、あわてふためいた声をあわせて、

「若君源三郎様は、コ、こちらにまいっておいでではないか」

三

玄心斎の茶筅髪はくずれ、たっつけ袴は、水と煙によごれたところは、火事場からのがれてきた人と見える。