Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate

Aozora Bunko

それが当時の編集デスクと協議のうちに、いっそ書くなら清盛の青年時代から――ということになって、ついつい、保元ノ乱以前からここまで書いてしまったのである。われながら小説の出生とはへんな運命のものだと思う。自分が生んだのか、自分だけでもない。編集者が生んだのか、編集者でもない。世間大衆が生んだのか、そうともいえる。(三〇・七・三)

*

下旬、机辺をかたづけて、例年の浅間山麓へやってきた。ここもことしはなかなか暑い。などといっては、たわごとみたいで、都会の人へすまなく思うが、京都の三日もこたえてやや暑さあたりの気味である。しかしようやく、この稿に気を取り直している。

屋島落ちの平家が、壇ノ浦に亡ぶ前、その途中、厳島へ立ち寄ったにちがいないということは、初めぼくの想像だけで書いていたのだが、ふと“玉海”の中にその確かな史料を見出して近ごろ密かにうれしかった。壇ノ浦に近づくが、ひとり平家にかぎらず、人の末路を描くのは、胸傷むことである。高原はもう虫の音が秋を思わせ、芒も穂を出しかけている。(三〇・八・一四)

*

“海に興って海に亡び去った平家”というたれかの表現があった。