Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
保元、平治の大乱も終熄して、永暦元年と変った春から秋への世相の表裏にも、じつにそれが顕著で、あるいは、てんやわんやの一時代であったというもよろしいでしょう。
まず、源氏と名のつく人間は、ことごとく、誅滅、追放、あるいは自ら遠く山野広原の地方に潜伏し、武門はひとり六波羅平家一色になりつつあります。
かかる都にも、なお、予譲の義をまねて、清盛を狙う悪源太があり、常磐の貞操にこらしめの刃を加えんものと、刃を研ぐ、金王丸のごとき血気未熟の若者もある。
頼朝は、伊豆に。牛若は鞍馬に。――今は平家勃興時代にみえて、また、宇宙観的な永い眼で見れば、地下源氏の萌芽時代ということもできましょう。いずれは、なお、五風も十雨もなくてはほんとに固まらない地上であったのです。
僧文覚は、ひたぶるに、那智の修業や、諸山を経て、時に都を歩き、彼一流の発願をいだきながらも、昔の同僚、清盛の大きな擡頭に、一べつの白眼と批判をつねに抱いているし、歌法師の西行は、白雲のまま、流水のまま、弟子西住と別れて、みちのくの旅から、この秋、都へ出ていました。
そして、旧主徳大寺公能の侍所に、別れた弟子を訪うた日、常ならぬ貴紳三人の客の牛車を、内門の車宿に見ました。