Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
それで、しばしば、御抗議もうける。中には、系図書や古文書類を、家におくより役立ててほしいと、送ってくださる方もあるが、これは正直にいってありがた迷惑である。系図書などは、作家にとって無価値だし、つい机辺においても失くし易い。あとから返却を迫られて、当惑したこともある。自分は旅行がちだし、責任をもちかねる。御好意は謝すが、以後、やめて欲しい。編集部宛は、なおさらである。(二九・二・七)
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“真実”というものは掴みにくい。目撃者の言にしてもじつに区々違うのである。
当時の公卿日記の筆者たちは、みな渦中の遭難者であり目撃者だから、おなじであるはずだが、細部ではずいぶん相違がある。たとえば法住寺殿合戦の当日の記事でも、九条兼実の玉葉には「――十一月十九日、己酉、天陰ル、時々小雨」とあるが、藤原経房の吉記だと「十一月十九日、己酉、天霽レル」とあり、その日の天候さえ、人によって表現がちがう。
人間の主観をとおすと、お天気さえも、同一でなくなるのだから、歴史の真実とか、史料の正否など、なおさら、そう、かんたんにいいきれるものではない。
まして微量でも、政治意図が交じったりすると、ほんとうのことなど行方も知れなくなるわけである。