Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

ふしぎなことには、将軍さまでも、お湯へおはいりのときは裸になったものです。

余談ですが、馬関の春帆楼かどこかで、伊藤博文公がお湯へはいった。そのとき、流しに出た者が、伊藤さんが手拭で、前をシッカとおさえているのを見て、あの伊藤さんてえ人は下賤の生れだといったという。高貴の生れの方は、肉体を恥じないものだそうです。

今この、征夷大将軍源氏の長者、淳和奨学両院別当、後に号して有徳院殿といった吉宗公も、こうしてはだかで御入浴のところは、熊公八公とおなじ作りの人間だが、ただ、濡れ手拭を四つに畳んであたまへのせて、羽目板を背負って、「今ごろは半七さん……」なんかと、女湯に聞かせようの一心で、近所迷惑な声を出したり――そんなことはなさらない。

御紋散らしの塗り桶を前に、流し場の金蒔絵の腰かけに、端然と控えておいでです。

五本骨の扇、三百の侯伯をガッシとおさえ、三つ葉葵の金紋六十余州に輝いた、八代吉宗といえば徳川も盛りの絶頂。

深閑とした大奥。

松をわたってくる微風が、お湯どのの高窓から吹きこんで、あたたかい霧のような湯気が、揺れる。

吉宗公は、しばらく口のなかで、なにか謡曲の一節をくちずさんでいたが、やがて、