Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

ほんとに、いまいましったら!」

お蓮様の舌打ちに、合の手のように、草の葉を打つ露の音が、ポタリと……。

それほど閑寂。

妻恋坂の道場の庭――その庭を行きつくした築山のかげに、小暗い木の下闇をえらんで、いま立ち話にふけっているのは、源三郎排斥の若い御後室お蓮様と、その相談役、師範代峰丹波の両人。

あれから源三郎、ドッカとこの道場に腰をすえて、動かないんです。

と言っても、もう萩乃と夫婦になったわけではない。ただ、一番いい奥座敷を、三間ほど占領して、源三郎はその一室に起居し、安積玄心斎、谷大八等の先生方は、源三郎を取りまいてその一廓に、勝手な暮しをしているのだ。

同じ屋敷にいながら、司馬道場の人々とは、顔が合っても話もせず、朝晩の挨拶もかわさないありさま……一つの屋敷内に、二つの生活。

持久戦にはいったわけだ。

どっちかが出るか、押し出されるか――。

こいつはよっぽど変わった光景で、お蓮様、峰丹波の一派は、源三郎を婿ともなんとも認めないばかりか、路傍の人間がかってにおしこんできたものと見ているので、われ関せず焉と、どんどん稽古もすれば、先生亡きあとの家事の始末をつけている。