Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

右の袖は、肩さきからブランとたれさがって、白衣に大きく染めぬいたのは、黒地に白で、髑髏の紋……まことに、この世のものとも思えない立姿。

人間よりも、縷々として昇る一線の不吉な煙……。

パクパクと、乱杭歯の口をあけた。声は、しゃがれて、鑢で骨を挽くような、ふしぎなひびき。

「姐さんも、お侍えも、ヤに眼ばかりパチクリさせてるじゃアねえか」

と、申しました。

「おらア言い飽きた科白だが、お前ッちにゃア初耳だろう。姓は丹下、名は左膳……ウフフフフ、コウさむれえ、えらいところをじゃましてすまなかったが、おらア因果と、この壺てエものを見るてえと、やたらに欲しくなる性分でナ。この壺せえもらやア、用はねえのだ」

たちすくむ門之丞を、左眼でじろりとにらむ。つかつかとこけ猿のほうへ寄る。動くと、魔のような風がさっさっと起こる。この浪人の影には、死神が笑っているに相違ない。

「待てっ!」

やっと発音機能をとり返したように、必死にさけぶ門之丞の声に、丹下左膳はぶらりと立ちどまった。

ギュッと顎をねじって、皮肉に笑っている左眼を、門之丞へ向ける。

「ナニ、待てとは――おれがこの壺をもらっていくのが、不承知か」