Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

「なるほど、つまり、天下をさわがしとうない――」

「と言うと、こけ猿の秘める財宝のすべてが、柳生の手にはいるのも、これまた困りものじゃて。いくら日光でも、そうはかからぬのじゃから、あまった金が柳生の手にあっては、こんどはまたそれが、何かと間違いのもとになりやすい――」

「そうたびたび金魚籤をあててやることも、できますまいからな、ははははは」

「そうじゃ。きまって柳生の金魚ばかり死なすわけにも――あっはっは」

愚楽老人が、全身をゆすぶって笑った時、庭の奥から闇黒の中を、こっちへ近づいてくる跫音が……。

六

すね者というと、変につむじまがりか、さもなければ卑屈な人間が多いけれど、この蒲生泰軒先生のように、とてもほがらかに世の中をすねちゃった人物は、ちょっとほかに類がないであろう。

いったい人間には。

ちゃんと家庭をいとなみ、一定の住所をもち、確たる職業につき、それ相応の社会的地位をたもっていこうとする、いわば市民的なおもての生活のかげに。

一面……。

ともすれば無情を感じ、隠遁を好み、一笠一杖、全国の名所寺社でも行脚して歩いたら、さぞいいだろうと思うような、反世間的な、放浪的な気もちがあるものです。