Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.861 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

今この馬のつかれきったようすで見ると、司馬寮の焼ける時、厩につながれていたのが、火をくぐってぬけだし、主人のすがたを求めてひかれるように江戸へ立ちかえったものの、本郷への道を思い出せずにあちこちさまよい歩いたあげく、やっと今たどりついたものらしい。

馬がふしぎをあらわしたというのは、この時いきなり、何を思ったものか、鉄十郎の寝巻の袂をくわえて、力をこめて庭へひきおろしたのだった。

三

五十嵐鉄十郎の寝間着の袂をくわえて、馬は、ぐんぐん庭へひっぱりおろす。

「ウム、これはいよいよ若殿のお身に……」

そのまも馬は、早く乗ってくれというように、からだを鉄十郎のほうへすりよせるのだった。

「これはこうしてはおられぬ。刀をとってくれ」

渡された刀を帯するより早く、鉄十郎はヒラリと馬にまたがった。

もうその時は、一同は起きいでて、上を下への騒ぎになっていた。

「何ッ、源三郎様のお馬が、帰ってきたと?」

「畜生のかなしさ、口をきけぬながらも……」

「何か一大事を知らせにきたものに相違ない」

「かわいいものだなア」

「殿は、あの馬をかわいがっておられたからな」

「そんなのんきなことを言っておる場合ではない。