Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
探し当てたと思ったら、そこは湊川小学校の校庭であったりした。校門の中に一基の石があっただけである。が、それにしても、そこの十分間ほどな感銘が、後に、作品の上でどれほど自分の想像力の基調を助けていたかわからない。また、そこの湊川小学校では、おりふし居合わせた職員の方々から御好意をうけ、校内図書室の神戸市史中の一巻をお借りして帰ったりした。それも三年後のつい先ごろ、編集の手から御返却したばかりである。思えばこの「新・平家」もずいぶん諸方のお世話になってきた。
月末、大阪へ行く途中、名古屋にも寄る約束になっている。やはり朝日主催の同地における茶道文化方面のお集まりと聞いてだけいて、何を話すのかもまだ考えもしていない。
自分の講演嫌いが、だんだん分かってくれたのか、このごろは強引な依頼者も少なくなって、ありがたく思っている。いつかある席上で佐佐木茂索氏から「文藝春秋新社になってから、君だけは一ぺんも講演に出てくれない」といわれて、大いに恐縮したことだった。それなのに、本誌の読者大会だけには去年も出、今年も行くのは間が悪いが、まる四年にわたる迂作の連載中に、いろいろな形で諸氏の御好意をうけつつ、それに平常お答えもしていない自分のすまない気もちを、幾ぶんでも果たしたいという量見にほかならない。