Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate

Aozora Bunko

まだ、そこまで行っていないが、古典平家だと“那須余一”や“弓流し”の条の初めに“逆櫓”の一章がある。――渡辺の岸から屋島へ出陣しようというさいに、義経と梶原とが逆櫓のことで、議論となり、味方喧嘩をひき起こしたという話になっているが、これはかなり人口にも膾炙しているので、次回のことだが、あらかじめここで断っておきたい。

吾妻鏡でも明らかなように、梶原はついに渡辺には来ていなかった。“逆櫓”の話は、まちがいである。のみならず話としても、稚気にみちたもので、現代人には、のみ込める筋ではない。だから、ぼくは“逆櫓”の項は省くつもりだ。なぜだろう? と、読者は怪しまないでいて欲しい。

逆櫓ばかりでなく、義経の屋島急襲には、古典をそのまま、うのみにできないことが多いので考えさせられている。たとえば、大風浪の中を、今の大阪から阿波の小松島市附近まで、わずか四時間で着いたことになっているが、いくら追風でも潮流に乗ったにしても、いささか誇張でないかと疑われる。また、船五艘に百五十騎が乗り込み、上陸直後、戦闘に移って、そのまま徹宵で今の高松市の近傍まで駈けつけ、またすぐ戦闘に移ったという点なども、肉体的、時間的に、どうかとおもう。