Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate

Aozora Bunko

その人々には、その人々自身が書いた日記があったり、従来の歴史家が精査した史録というおのおのの履歴書もついているわけである。ぼくはそれを無視していない。すべてを鉄則ともしていないが、軽視もしないですすめている。そこでむずかしさは二重三重になってゆく。じつに先が長ければ長いほど、長篇小説の構成には、初期に考えられなかった複雑なむずかしさが生じてくる。

校訂のゲラ刷も、毎巻、さいごの〆切まで、つい机に溜めて、朱筆の迷いに苦吟してしまう。限りもなく書入れや書直しがやりたくなるのだ。けれどこういう長途な創作の構想は、工事中にある建築と同じで、うっかり部分的な柱とか棟木だけの差し代えはできない。窓一つでも後からではどうにもなりかねる。毎週毎週、一稿ずつを週刊朝日の編集部へ送っては積んでゆく累層なので、そのたび良心はつくしているつもりでも、こう単行本となる前のゲラ刷を再校訂しながら、自分を離れて自分の仕事を客観してみると、やはり悔いがのこらないわけにはゆかない。なんとも才能の不足を嘆じてしまう。せめてもっと健康と時間が欲しくなる。林芙美子さんじゃないが、業だなあと思ってしまう。