Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
ところが、それを自分でしているうちに、雑書や史片の間から思いがけない発見と、想像の合理性なども見出すのである。ぼくの書斎生活は、そのほかにも非ビジネス的なものに満ちているとは知っているが、どうにも訂正ができないし、また訂正する気もちもない。
死んだ林芙美子氏が、あるおり「ねえ吉川さん、作家の道って、やればやるほど、孤高の道ね」と、その孤高という一語へ、感傷をこめてつぶやいたことがあったが、孤高ならずとも、ぼくらの仕事は、孤行と精進とのほかには、道のないことはたしかである。
健康も、余りに健康すぎては、かえって、机の仕事にはいけない、というような変則はぼくばかりでなく、作家たちはよく笑いばなしにいうことである。どこ一つ体に悪い所がなく、快適極まるといったような好条件な時は、自然、机の苦業百尺の下へ、われから心身を沈めてはゆけないらしい。体は悪い程でもないが、どこかバランスがとれていないといった程度の一病はあった方が、どうも机の主をして机に没頭させる鞭撻にはなるように思われる。
青年期の清盛、四十台の清盛、晩年の清盛と、およそ三期にわけて考えてみると、彼もまた、生理的年齢の段階にしたがって、その言行から人間までが、だいぶ違って行ったのではあるまいか。