Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate

Aozora Bunko

歌舞伎座の読者大会では、昼夜にわたって、たくさんな読者にまみえ、平家について一夕話をこころみたが、心にある何分の一も話せなかった気がしてならない。にもかかわらず、以後、多くの人から御感想やお便りなどいただいて、なお恐縮している。

このごろ、「平家についての一夕談でも」という講演の依頼をよくうける。しかし、如上のごとく、不得手なのと、時間もないので、一切お断りのほかはない。せめてなしうることは、この栞の欄と、週刊朝日で月一回の「筆間茶話」を読者に送るぐらいなところである。それさえ、じつは意に充ちてしたこともないが、諒とせられたい。

この第十二巻「かまくら殿の巻」は、巻の名を按じるとき“浮巣の巻”としようか“おん国母の巻”としようか、などと思い惑ったほど、内容は、東国の頼朝中心のうごきと、京、福原における平家晩鐘の中の話とが、ちょうど、半々になっている。

いったい、頼朝については、遠い以前に、ぼくはいちど朝日新聞に「源頼朝」として書いたことがある。人によると「いちどお書きになったものは、書き易いでしょう」というが、じつは、前に手をかけたことのある人物や同場面というものは、なにかしらひどく書き難いものである。